その状況は、景気の動きに先行する指標であるPMI(購買担当者景気指数)の動きから一目瞭然である(下図参照。米国ではISM〈米供給管理協会〉景況指数)。

 中国の製造業PMIは、昨年夏から50前後で推移し、直近の5月から7月までの3カ月では、景況判断の分かれ目である50を連続して割り込んでいる。非製造業PMIも50台前半での低空飛行が続いている。

 一方、米国の製造業ISMは昨年夏あたりには60前後で推移していたものの、足元では50こそ割り込んでいないが急速に低下している。7月は51.2と、3年6カ月ぶりの低水準となった。非製造業ISMも3年ぶりの50台前半の水準を付けた。

 ここで、8月1日にトランプ米大統領が表明した通りに3000億ドル分の関税引き上げとなれば、さらに米中双方でセンチメント悪化も含め景気への下押し圧力は強くなる。引き上げ表明前の7月末のFMOC(米連邦公開市場委員会)では考慮されていなかった要因だ。

 悪化の兆候を察知してか、トランプ政権のFRBへの露骨な利下げ要求はエスカレートするばかり。

 7月31日にFRBが利下げをしたばかりだというのに、8月6日には大統領補佐官のピーター・ナバロ氏は「年末までに0.75%か1%利下げしなければならない」と発言した。

 8日にはトランプ大統領がドル高傾向の継続に不満を漏らし、「大幅に利下げをし、量的引き締めをやめれば、(ドル安による輸出競争力回復で)米企業が競争に勝てる」とFRBを強く非難した。

 市場はすでに年内に0.25%を2回、または0.5%を1回の、FRBの利下げを織り込んでいる。

 CME(シカゴマーカンタイル取引所)のFedWatchの各FOMCにおける利下げ確率を見ると、9月は0.25%以上の利下げの確率が100%である。12月は現状より0.5%低い水準まで利下げする確率が92.2%だ。