「炭水化物でも茶色いものなら太らない」といった嘘が流布されている。たしかに玄米は白米に比べてビタミンやミネラル、食物繊維が豊富なので、白米を食べるよりは玄米を食べたほうがいい。だが、玄米に変えたからといって太らないわけではない。しかも、「全粒粉もどき」ともいえる食材も出回っている問題もある。今回は『医者が教える食事術2 実践バイブル』の中から、玄米やそば、全粒粉パンなど「茶色い炭水化物」に関する誤解について紹介する。

「玄米やそばなら太らない」は大嘘

玄米と白米では食後の
血糖値の上昇に大差なし

 本連載でも、『医者が教える食事術2 実践バイブル』でも、糖質の摂り過ぎの危険性を繰り返し訴えてきました。それだけ「白米は日本人が昔から食べていたのだから、いいだろう」とか、「脂肪の摂り過ぎはよくないけど、炭水化物なら大丈夫」といった誤った情報を正しいと思い込んでいる人が多いからです。

 同様の誤って広まっている知識が「炭水化物でも、茶色いものなら太らない」とか、「玄米やそばならやせる」といった情報です。

 実際、「同じ炭水化物でも、茶色いものならいいのか」という質問をよく受けます。

 結論としては、玄米もそばも糖質であることに変わりはなく、血糖値を上げて太ります。これは、生化学上確かなだけでなく、私の患者さんが測定している食後血糖値を見ても明らかです。

 嘘だと思うなら、あなたも血糖値を自己測定してみてください。玄米と白米では食後の血糖値の上昇にほとんど差は出ません。

 ただし、玄米はビタミンやミネラル、食物繊維が白米と比較して豊富です。ですから、白米を食べるよりは玄米を食べたほうがいいというのは、私も賛成です。同様に、白いうどんよりはそばのほうがいいということになります。