社長が捏造を認めた証拠? 音声データの取り扱い

 原告の千壽氏は、「鈴木社長が捏造を認めた証拠」とする3本の音声データを裁判所に提出している。いずれも17年12月で、「鈴木社長―HDリスク管理業務委託先(当時)」が2本、「鈴木社長―元ナンバー2」が1本だ。

 独自に音声データ3本全てを入手した本編集部の記者も合計233分再生して確認した。自身の捏造疑惑を告発された鈴木社長が疑惑を明確に否定する発言はなく、むしろ捏造があったことを前提に社長退任の条件を話し合っているかのように聞こえる内容だった。

 一方、被告の鈴木社長側は音声データに関し、「事実無根であってもグループのレピュテーション(評価)が毀損されることは間違いないと考え、そのような事態を避けるために『ひとまず話を合わせて聞き置く』という態度を取った」などと説明し、捏造疑惑を否定している。

果たして裁判官はその他の証拠と照らし合わせ、音声データをどう評価するのか注目だ。

社長VS元ナンバー2らのガチンコバトル

 9月9日の証人尋問では鈴木社長、元ナンバー2、元ナンバー2の告発を仲介したHD元リスク管理業務委託先の計3人が初めて法廷へ姿を現す。尋問するのは代理人弁護士のため、「鈴木社長VS元ナンバー2ら」の直接バトルが起こることはなさそう。予想されるのは、捏造疑惑について相反する主張を述べ合うことによる間接的なバトルだ。

 特に鈴木社長と元ナンバー2は18年2月の取締役会を最後に会っておらず、同じ時間帯に法廷へ姿を見せれば約1年半ぶりの顔合わせとなる。この間に、元ナンバー2の内部告発に端を発した4つの裁判(遺産訴訟2件以外を含む)が起き、全ての裁判の被告には鈴木社長(ポーラ美術振興財団の理事長としてを含む)が名を連ねた。

 3人が顔を合わせれば、法廷の空気が張り詰めること必至だ。