南シナ海でマレーシアとベトナムが行っている石油・ガス探査に対する中国の嫌がらせを、米国務省は先週強く非難した。同省のモーガン・オータガス報道官は、中国政府が「ベトナムの長年の石油・ガス活動に介入し続けている」と批判。それにより、海洋紛争の平和的解決に対する中国の取り組みに深刻な疑問が浮上すると述べた。国務省が警告によって中国政府に外交圧力をかけたことは正しい。ただ、米国とそのパートナーは中国政府に対し、危機を拡大させかねない致命的な衝突を防ぐべく、海警局や艦船の動きを抑えるよう要求を強める必要がある。最も注視されているのはベトナム沖合の状況だが、5月には南シナ海の別の海域でも中国の嫌がらせが始まった。英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの子会社が契約した船舶2隻は同月21日、事態の悪化を受けマレーシア・サラワク州から沖合掘削リグへの定期便1便の運航を終了した。この日、中国の大型海警船「35111」が現れ、同2隻の周りを高速で周回し、80メートル以内に接近したのだ。