ニュージーランド東岸で操業する中国系のボトル入り飲料水会社、ワンピュア・インターナショナル・グループは、旺盛な高価格天然水の需要を満たすため、当地の帯水層から水のくみ上げを拡大している。
同社のボトル入り飲料水の販売は、5年前の創業時から急増している。製品の大半は中国をはじめとしたアジア諸国に出荷されている。同社は昨年、ニュージーランドの主要ワイン生産地の地下から300万ガロン(1135万リットル)の天然水をくみ上げており、一部で地元社会の反発を招いている
ボトル入り飲料水は、多くの先進諸国では環境面で問題視されている。1度の使用で廃棄されるすべてのプラスチック容器に厳しい視線が向けられているからだ。しかし、これらのボトルに詰められる水自体も、問題を引き起こしている。
ニュージーランドのホークスベイ地方では、ワンピュア以外にも6社のボトル入り飲料水施設が地下水をくみ上げている。同地で非営利団体を運営するリアン・コターアーリッジ氏は「地下水くみ上げがトラブルを引き起こすことを懸念している」と語る。彼女によれば、これら企業による過剰な地下水くみ上げが、この地域の諸都市や農家にとっての貴重な資源を奪う懸念があるという。この非営利団体は、水資源に関する規制強化を地域社会に働きかけ、新たなボトル入り飲料水会社の進出を阻もうとしている。