昼休みに社員食堂で、
元部下と半年ぶりに再会する

 8月上旬、Aが社食でランチを食べていたところ、背後から聞きなれた声がした。

「A部長、こんにちは!」

 振り返ると、トレイにざるそばをのせたC部長が立っていた。Aは驚いた。

「あれ?君がここにいるなんて珍しいな。いつもは外回りで社内にいないだろ?」
「今日は午後から営業会議があるので戻ってきたんです」
「そうか、ご苦労様。まあ、座れよ」

 Aに促されたC部長は、隣に腰かけるとそばをすすりながら話し始めた。

「ところで、総務部の仕事は大変ですか?」

 Aは自嘲ぎみに答えた。

「アハハ、伝票整理なんかとても退屈だよ」
「そうですか。それなら今度営業部にも顔を出して下さいよ」
「え?いいのか?早速行こうかな」
「大歓迎ですよ。今日は会議で部員が全員揃っていますから、皆と一緒に3時のおやつを食べましょう」

 すっかりその気になったAは、3時になると総務部を抜けて営業部へ向かった。

元部下から相談されて
Aは気分を良くする

 Aの姿を見たC部長は明るい声で言った。

「お待ちしていました」

 AはC部長から手渡されたタピオカミルクティーを飲みながら、休憩中の部員たちと談笑した。しばらくたった頃、C部長がAの横に来て言った。

「実はA部長にご相談したいことがあるんです」
「いやいや…、今の部長は君だろう」
「そんな…、A部長と呼ばせて下さい」