ジャパンの注目選手を挙げるなら、まずはスタンドオフの田村優。パス、キックのスキルが高い。今の戦法にフィットしており、彼が乗ったときは強い。ウイングの福岡堅樹はスピードが抜群で決定力がある。小柄だけれども空中戦を含めたディフェンスも強い。彼は、来年の東京オリンピックの7人制ラグビーを最後に引退して医師を目指す。あとは、韓国出身の具智元。負傷が癒えたら、世界屈指のスクラムの組み手だ。

 予選で対戦する4カ国を簡単に紹介すると、アイルランドはジョー・シュミットという名監督がいて、戦力的にも充実期。特にスタンドオフのセクストンは世界トップ級で、今大会のスター候補の一人。サッカーと違い、ラグビーでは北アイルランドとアイルランド共和国が統一チームを組む。

 スコットランドは真面目なチームで、必ず周到な準備をしてくる。ロシア、サモアもランキングは日本より下でも、決して油断できない相手だ。特にサモアは永遠の未完の大器だが、協会や監督との問題など、内部でのトラブルがなければ本当は強い。

 優勝候補は今回もニュージーランドだが、簡単に3連覇できるとは思わない。ライバルは南アフリカとイングランド。うまいだけのチームはニュージーランドに勝てないが、この2カ国がベストの布陣なら、パワー、サイズ、スピードはニュージーランドを上回る。