米司法省は性的虐待疑惑を巡り、五輪競技団体に対して複数の広範な刑事捜査を進めており、組織全体で金銭や取引絡みでも不正行為がなかったか調べている。関係筋が明らかにした。今回の捜査は、米国体操協会のチームドクターだったラリー・ナサー被告による性的虐待スキャンダルの発覚が引き金となり、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)や米体操協会をはじめとする競技関連団体や米連邦捜査局(FBI)など法執行当局が、引き続き司法圧力にさらされていることを示している。3年前に発覚したナサー被告のスキャンダルは米体操協会を揺るがし、その後、複数の辞任や逮捕、訴訟、議会公聴会につながった。2020年の東京五輪まで1年を切る中、犠牲者や議員らの間では、五輪競技界全体において説明責任要求がなおくすぶっており、連邦捜査当局は複数の捜査を進めているようだ。