スペインのサッカークラブの強豪、FCバルセロナの拠点である「カンプ・ノウ」スタジアム。この改修工事の設計を受注したのは日本の設計事務所だった。世界の名だたる設計事務所との競合に勝った背景には、日本の新国立競技場の建設で白紙撤回されたザハ案に協力した際に培った「秘策」があった。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
世界の精鋭26チームが競う
設計「勝ち抜き戦」を制した
「討ち死にしても仕方がない」
日本の設計大手、日建設計の執行役員である日本人建築家、村尾忠彦は国際設計コンペティションでの大勝負に腹をくくった。
世界が注目するサッカースタジアム改修工事の設計者を選定するためのコンペが2015年から16年にかけて実施された。改修するスタジアムの名は、「カンプ・ノウ」。スペインの強豪サッカークラブであるFCバルセロナ(以下、FCバルサ)が所有する由緒ある競技場だ。