スズキとダイハツ、長年のライバルが
トヨタを仲介に急接近

 トヨタは現在、ダイハツを100%出資の完全子会社とし、日野自動車には過半数の50・11%を出資、SUBARU(スバル)に対しては16.82%を出資する。ダイハツと日野は連結子会社という関係だが、スバルについては議決権株の15%以上を保有する筆頭株主であり、実質的な影響力が大きいため、一般的には“関連会社”と呼ばれる関係だ。

 これに対し、マツダの場合はトヨタが5.05%を出資し、マツダもトヨタに0.25%を出資するという株持ち合いの関係だ。出資金額はともに500億円であり、会社の規模は違うが対等な関係の資本提携にある。なお、マツダにとってトヨタは第3位の株主である。スズキもマツダと同様、対等な関係の資本提携だ。

 トヨタとスバルの資本関係は、スバルと資本提携していた米国GMが、スバル株を手放す動きがきっかけだった。スバルは防衛庁(現防衛省)に納入する航空機部門を持っていたので、GMが放出する株を“責任ある日本企業”が引き継ぐことが重要だった。そのため政府の意向をくみ、トヨタが引き受けた。一方、マツダとトヨタ、スズキとトヨタの資本提携は、民間企業同士の意思である。なお、日産がルノーの資本参加を受け入れるときも、日産が持っていた防衛産業部門は切り離された。スズキもかつてはGMと資本提携していたが、スバルとほぼ同じ時期にGMからの依頼で、同社が所有するスズキ株を現金で買い取っている。

 現時点で、トヨタとスズキの資本提携についての関心事は、軽自動車の処遇である。トヨタとスバルはダイハツ製軽自動車をOEM販売している。スズキとダイハツという長年のライバルが、トヨタを仲介に急接近したかたちだ。

 ビジネスベースで考えれば、パワートレーンとプラットホームを統合し、3社で共同使用することがベストだが、どうなるだろうか。この件に関しては、まだ何も発表されていない。

(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)

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