若手が「離職」したら誰の責任?
採用と教育の連携が急務

 採用や人材ミスマッチの課題について調査・研究を行うパーソル総合研究所シンクタンク本部リサーチ部・主任研究員の小林祐児氏は、「ミスマッチが起こっている企業はまず、何が原因かを見極める必要がある」と話す。

「その職場の人間関係が問題なのか、仕事内容が合わないのか、事情によって対処方法は変わってきます」(小林氏)

 そして、特に大企業に多い構造的な問題として、「企業内の『ものさしのズレ』がある」(小林氏)と指摘する。経営、現場、そして採用担当の間で、「欲しい人材像」が明確に定義できていないケースが多いのだ。さらに、昨今は選考に現場社員を登用することも多く、精査する面接官のスキル不足も否めない。

「コミュニケーション力」や「地頭の良さ」というような、人によって解釈の異なる抽象的な言葉ではなく、「共通したクリアな人材要件を作り、経営、現場、人事、面接官全員にそれを腹落ちさせる」(小林氏)ことが重要だという。その際、客観的に数値として測定しやすい「アセスメント」を選考に取り入れるのも1つの手だ。

 また、「採用した人の評価や離職率に対して責任を負う人がいない」ことも、ミスマッチがなくならない要因の1つだと小林氏は指摘する。採用担当者は「○人採用する」という目標を毎年追うが、数年後の定着率や活躍度を指標にしたり、その結果を採用方法や人材要件の見直しに活用したりする企業はほとんどない。

 なぜなら、採用と教育・人材開発の機能が分かれ過ぎていて、採用した人材の“その後”が誰の責任下にも置かれていないからだ。人事部門のトップなど、採用から定着までを包括的に評価する役割を明確にして、定着率や活躍度といった成果を採用と教育担当の両方にフィードバックしていく仕組みが必要なのではないか。