スティーブ・シアー氏「日本は70年間にわたってサービスを提供してきた重要な市場」と言うスティーブ・シアー・デルタ航空国際事業部門社長兼グローバルセールス執行副社長。首都圏だけでなく大阪と名古屋からも米国へ就航している Photo by Toshiaki Usami

「これだけの羽田枠をもらいシフトを決断」

 ここから先はシアー氏への単独インタビューである。

――10年にJALと、15年にはスカイマークとパートナーを組もうとするもかないませんでした。日本でパートナーが欲しいですか。

 今は羽田へ集約する計画に力を注ぎたい。羽田を起点にそこからパートナーの路線でどこかにつなぐことはかなわないが、それが故に日本のお客を米国にお連れすることに注力できる。

――スカイマークは来年の再上場を控え、首脳陣は将来的な欧米線参入や外資受け入れの可能性も示唆。話はしていますか。

 今の段階で、全くそういった話はしていません。

――成田の第3滑走路建設などによっては将来成田へ戻ることも?

 今のところそういう計画はありません。今は羽田に集中します。

――日本人客はJALやANAを好む傾向にあり、デルタのサービスやプロダクトに対する評価はあまり高くありません。

 そのような認識を払拭していかなくてはいけない。JALやANAに負けないサービスを提供していきます。特に機内食はミシュラン星付き店監修のメニューや、エコノミーでもウエルカムドリンクを提供するなどこだわっています。

――日本の航空政策に振り回されている感はありますか。

 日本政府には感謝しかありません。成田から羽田へシフトする決断ができたのは、これだけの羽田枠をもらえたからです。