減量による2型糖尿病の寛解率は意外に高い?
2型糖尿病患者にとって明るいニュースが英国から報告された。健康を取り戻すために大幅に減量する必要はなく、5年間で体重の10%を減らすだけで、2型糖尿病が寛解し得るという。英ケンブリッジ大学のHajira Dambha-Miller氏らによるこの研究結果は、「Diabetic Medicine」9月3日オンライン版に掲載された。
Dambha-Miller氏らは、2型糖尿病のスクリーニングによる死亡リスク抑制効果を検証したADDITION-Cambridge研究の登録者のうち、新たに糖尿病と診断された867人(40~69歳)を対象に前向きコホート研究を実施。体重の変化と糖尿病の寛解の関係を調べた。糖尿病の寛解は、糖尿病用薬または減量手術によらずHbA1c6.5%未満を達成した者と定義した。対象者の平均年齢は61歳、男性が61%だった。
追跡期間5年で257人(30%)に糖尿病の寛解がみられた。糖尿病の診断から1年後に体重が変化していなかった人の糖尿病寛解率を基準として、ベースラインの体重、年齢、性別、経済状態などで調整し、減量達成レベル別に寛解率を比較すると、10%以上の減量を達成していた人は寛解に至る頻度が77%有意に高いことがわかった(リスク比1.77、P<0.01)。また、診断から1~5年かけて10%以上減量した人(同2.43、P<0.01)や、5~10%減量した人(同1.43、P=0.02)の寛解率も有意に高かった。