インド政府は、ノーベル経済学賞を受賞した同国出身のアビジッド・バナジー教授(58)から、どんなメッセージを受け取るべきなのだろうか。インドは攻撃的な排他・民族主義の色合いを強めつつあるが、与党インド人民党(BJP)は、インドから流出した知的人材を否定するのではなく、受容すべきだ。スウェーデン王立アカデミーは、ムンバイ生まれで米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授のアビジッド・バナジー氏、同氏の妻で同じくMIT教授のエスター・デュフロ氏、ハーバード大学教授のマイケル・クレーマー氏の3人にノーベル経済学賞を授与すると発表した。公式発表の中で彼らの研究は「世界の貧困と戦う力を大幅に向上させた」と称えられた。彼らの研究は、インドを含む貧しい国々のさまざまな政策微調整の効率性を分析する際に、ランダム化比較試験(RCT)という医療分野の手法を取り入れたものだった。
【オピニオン】ノーベル賞のインド人、同胞の敵なのか
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