「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。商品は配達完了となっていますが、何らかの手違いで商品が届かなかったものと思われます。再度発送の手続きをしますが、それでよろしいでしょうか?」

 身構えていた私はかなり拍子抜けして、即座に「はい、それでお願いします」と答えた記憶があります。アマゾンは配送事故についての対応はかなり良いな、と感じた出来事でした。

宅配クライシスのなか
「置き配」に挑戦するアマゾン

 インターネット通販の注文増加に伴う「宅配クライシス」が問題になって以降、通販各社は宅配の問題に正面から取り組んでいます。そんななか、アマゾンが岐阜県多治見市で、この10月の1ヵ月間、「置き配」を標準配送とする実証実験を始めました。そこで、この「置き配実験」で何が明らかになるかを、私の経験から予測してみたいと思います。

 アマゾンの「置き配指定」とは、宅配ボックス以外に玄関、ガスメーター、車庫、自転車かごなど、予め指定した6種類の置き場所に配達員が荷物を届けるサービスです。首都圏では現時点でも、かなり多くの地域でこの「置き配指定」が可能です。

 多治見市での実証実験では、対面での受け渡しを希望する場合を除いて、在宅、不在にかかわらず、「置き配」を前提に配達を行うそうです。玄関へ「置き配」できる家の場合は、配達員がインターフォンを鳴らすことなく、ただ玄関の前に荷物を置いていってくれます。そうやって1ヵ月かけ、ユーザーの利便性や配達員の生産性について検証を行うといいます。

 ひとつ先回りして結論を言えば、この「置き配実験」では配達員の生産性は劇的に向上することが判明するはずです。前提として再配達が大幅になくなるわけなので、それは当然です。しかし検討すべきは、一方でアマゾンが失うものが何なのかという点にあります。