三陽商会の4期連続赤字が確定した。黒字予想が一転して赤字決算になった2020年2月期第2四半期だったが、10月30日に発表した第3四半期決算で、さらに通期予想も下方修正。惨憺たる状況で岩田功社長を更迭したものの、問題の本質はそこにはないようだ。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
迷走ではなく「打つ手なし」
止血不能の赤字垂れ流し状態
「下期は反転攻勢をかけますから」と、三陽商会の岩田功社長が強調したのは、つい3カ月前のこと。当初1億円の黒字見通しを立てていた上期が、6億円の赤字へと転落した2020年2月期第2四半期決算会見での発言だ。
その岩田社長が、代表権のない取締役に降格する人事が、10月30日の第3四半期決算と共に発表された。発令は20年1月1日付けだ。
第3四半期決算の内容に目を向けると、反転攻勢どころか、今期三度目の下方修正。通期の連結最終損益は15億円の赤字という救いようのない数字だ。これまで通期で7億円の黒字見通しを掲げていたが、4期連続で赤字となることが確定した。