インドの経済成長は6年ぶりの低水準に減速している。これは公式統計の数値だが、実際には景気がさらに悪化している可能性が高い。インドは今年、信用危機に見舞われてきた。ノンバンクがデフォルト(債務不履行)に陥ったり、政府の圧力で撤退したりしたためだ。投資家はインドの北東に位置する巨大な隣国である中国について、経済指標の内容が疑わしいと聞くことには慣れっこだ。だが先月、米シンクタンク「世界開発センター(CDG)」のエコノミストは、インド経済が既にリセッション(景気後退)入りしている可能性を示す複数の指標と、国内総生産(GDP)統計とのかい離が拡大していると指摘し、注目を集めた。そうした報告の後も、新たに発表された複数の経済指標は悪化する一方となっている。9月の非石油輸入は前年同月比12.3%減少した。鉱工業生産は同期間に4.3%減、物品税の税収は2.7%減となった。