国会議事堂Photo:PIXTA

「過大な税収見通し」を
隠すトリック

 2020年度の国の一般会計予算の政府案が閣議決定された。

 新規国債発行額は、2019年度当初予算から0.1兆円減少し、32.6兆円になる。国債依存度は31.7%となって、前年度の32.2%から低下する。一見すると、「財政再建に向かう健全予算」だ。

 しかも、20年度の税収見通しは、63兆5130億円で、「19年度当初比で1.6%増」と説明されている。「過大な税収見通しで国債減額したのならまやかしだが、1.6%増なら手堅い見通しだ」と、ほとんどの人が思うだろう。

 つまり、「控えめな税収見通しの下で国債減額を図っているのだから、よほど厳しい歳出削減の努力が行われたのだろう」と考えるだろう。

 しかし、それは間違いだ。