事業の転換で
「いいね!」復活の可能性も

 今回「いいね!」件数を非表示にしたインスタだが、天野氏は「また表示する可能性もある」と予測する。そこには、インスタの経営方針の転換があるという。

「インスタは2012年にフェイスブックによって買収されました。フェイスブックの収入源は9割以上が広告ですが、この一本足打法にはリスクも大きい。そこで、インスタにコマース機能をつけ、収益の複線化を図り、その構造を強固にしようと考えているのです」

 フェイスブックはインスタ上で洋服など、「モノが買える」ようにしたいのだ。確かに、膨大なデータを握っているフェイスブックが、しかるべき人にしかるべき商品をレコメンドし、売買を成立させるのは理にかなっている。

「ショッピング路線にかじを切ったときに、『いいね!』件数の非表示はネガティブに働く可能性があります。自分が欲しい商品や、レストランなどにどれだけ『いいね!』がついているかを消費者は知りたいし、それで判断しますから。いわば、『いいね!』は口コミサイトの星の数やユーザーコメントと同じ機能です。そうした事業が始まったときに、件数表示が復活するかもしれません」

 暫定的な措置の可能性が高い「いいね!」件数の非表示。ただ、この動きはほかのSNSでも行われるのだろうか。

「Twitterのリツイートやお気に入り機能をなくすという噂は絶えずありますが、もともと手軽な発信が特徴のSNSですから、お気に入りがつくかどうかの重みは比較的高くないと考えられます。また、リツイートについても、フェイクニュースの抑止などにはつながるとは思いますが、Twitterはニュース性の強い拡散メディア。リツート機能の廃止はその長所がなくなる恐れがあり、運営は踏み切らないのではないかと考えます」

 フェイスブックは日常的に投稿する人は少なくなり、「いいね!」を気にする人も多くはない。フェイスブックで仕様の大きな変更はないと見ていいだろう。

 このようにSNSの転換期にあるといっていい現代。我々も「いいね!」との向き合い方を考えていかなければならないのだろう。