死体遺棄の生活保護ケースワーカー、公判で見えてきた異常すぎる実情
京都府向日市の生活保護ケースワーカーが、死体遺棄容疑で逮捕された事件の公判が続く。異様な実情が明らかになりつつある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

異様な事件の異様な背景
「パシリ」化したケースワーカー

 本年6月12日、京都府向日市の生活保護ケースワーカー・Y氏(30歳)が、死体遺棄容疑で逮捕された。6月1日の土曜日、Y氏の担当していた生活保護受給者・H氏(55歳)が女性を殺害した。Y氏は自ら契約したアパートに遺体を隠していたが、発見され、H氏とともに逮捕されたのだった。Y氏の自供により、共犯者Z氏(52歳)の存在が明らかになり、逮捕された。H氏・Z氏およびY氏は既に起訴されている。

 この異様な事件の背景には、H氏がY氏を精神的に支配して「パシリ」化していたという、異様な状況があった。ケースワーカーは受給者の生命線を握っているのも同然の存在なのに、力関係が完全に逆転してしまっていたのである。

 Y氏の公判は、10月から開始されている。12月19日、京都地裁でY氏の第3回公判が行われ、事実関係と背景の確認がおおむね終了した。さらに、異様な事件の発生へとつながった経緯が明らかになってきた。

 H氏が女性を殺害し、Y氏がその事実を知ったのは、6月1日だった。その日、高く積み上げられた積み木の塔が、ついに崩れ始めたのかもしれない。前日にあたる5月31日までに、何が起こっていたのだろうか。

 Y氏は、向日市地域福祉課(福祉事務所)で生活保護ケースワーカーの業務に就いて足掛け4年目、同課では最も経験年数の長いケースワーカーとなっていた。H氏を担当し始めたのは、2018年1月のことだった。

 2018年11月、H氏は毎日、Y氏の職場に電話するようになった。電話は、12月に入ると1回2時間程度になり、時には4時間に及ぶこともあったという。閉庁後に電話がかかってくることもあった。代表番号への電話が職場に取り次がれたため、H氏は「閉庁後も通じる」と学習したようだ。