現在の内外の株価は、米国連邦準備制度理事会(FRB)が三度にわたる利下げを行ったことで、米国の株価が回復したことに連動して動いている。FRBが利上げに動いていた2018年は小さなサイクルが一巡して株価が調整に入るかに思われた。ところが、19年になってFRBが利下げに転じてから、もう一段大きなバブルをつくるプロセスに入ったようにみえる。

「次のバブル」の構造を解説
主役は企業だろう

 リーマンショックから世界金融危機に至った前回のバブルは米国の不動産金融の拡大で不均衡を蓄えたが、次のバブルの主役は企業だろう。

 まず、金融緩和による国債利回りの低下を背景に、企業はせっせと社債を発行している。そうして得た資金で自社株を買う。企業の経営者が自社株を買うのは、ストックオプションを持っている自分自身がもうかるからで、確たるモチベーションがある。また、株価を下げないことが、経営者の地位を守る上でも重要であることは言うまでもない。

 米国では、クレジットの質が良くない債券発行が増えているが、こうした企業の負債を証券化したローン担保証券(CLO)によって個々の企業のクレジットがごまかされることによって、資金調達が可能になっている。かつてサブプライムローンを証券化した債務担保証券(CDO)と同じ手口だ。もちろん、金融業界は自分たちがもうけるために、手慣れた金融技術を使ってせっせと働いている。

 ここまでに登場するプレーヤーたちには確固たるインセンティブがあり、不良な信用の拡大は歯止めが利かない構造になっている。

 歯止めになり得るのは、CLOを購入する機関投資家がリスクに目覚めることだが、世界的に資金運用難なので、彼らに自制を求めることは難しかろう。しょせん運用しているのは他人の資金なので、つじつま合わせの利回りを求めることが止められない。

 企業価値の評価額が10億ドル以上ある非上場のベンチャー企業を指す、いわゆる「ユニコーン」と呼ばれるような新興企業の株価が期待よりも低迷するケースなど、幾つかのほころびはちらほらと見え始めている。しかし、大勢として次のバブルをつくる流れにあるので、内外で割高にみえる状況が形成されるまで、株価が上昇する公算が大きいのではないか。