電通vs博報堂。ヤマト運輸vs佐川急便。アップルvsアマゾンetc.
有名企業の決算書を徹底分析!「儲かっている」のはどっちだ?
本連載は、誰もが知っている有名企業の決算書を対比させることで、「実務に使える会計知識」と「経営分析の基本」を一気に学ぶものだ。著者は、「監査法人」「証券会社」「ベンチャー企業」「会計コンサル」、4つの立場で「会計」に携わった経験を持つ川口宏之氏。近著に『経営や会計のことはよくわかりませんが、 儲かっている会社を教えてください!』がある。

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 楽天市場やアマゾンなど、ネット通販で買い物することが日常的になった今、宅配業は必要不可欠なインフラ産業です。

 本日は、宅配業大手のヤマト運輸と佐川急便を比較します。それぞれの会社を傘下に持つ持株会社(上場会社)のヤマトホールディングスとSGホールディングスが対象です。決算書を見てみましょう。下記の画像を見てください。

 営業利益率を用いて、分析します。

営業利益率 (%) = 営業利益 ÷ 売上高 ×100
※ ヤマトホールディングスとSGホールディングスは、売上高のことを「営業収益」と表示しているため、「営業利益÷営業収益」で計算しています。

営業利益率
ヤマトホールディングス 3.6%
SGホールディングス 6.3%

 営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合です。高ければ高いほど会社の本業での稼ぐ力が高いことを意味します。下記のイメージ画像を見てください。

 業種により異なりますが、おおむね4~5%(日本の上場企業の全業種平均)がひとつの目安となります。

 ヤマトホールディングスの営業利益率が3.6%であるのに対して、SGホールディングスは6.3%と大きくリードしています。したがって、稼ぐ力はSGホールディングスのほうが上です。

 しかし営業収益(売上高)では、ヤマトホールディングスが1兆6000億円なのに対して、SGホールディングスは1兆1000億円。ヤマトホールディングスのほうが1.5倍ほど高い状況です。下記の画像を見てください。

 ヤマトホールディングスは、ネット通販による旺盛な宅配需要をとり込み、売上を拡大していきました。これに対してSGホールディングスの売上高の伸びはそれほどでもありません。2014年や2017年3月期は、売上高が前年に比べ若干減少しているぐらいです。