新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している中国では、マスクが飛ぶように売れているほか、人々が旅行を取りやめ、ソーシャルメディア上で偽情報が拡散している。薬局や空港、ネット通販サイトなどでは、恐怖心や混乱から感染予防をうたった商品への需要が急増して品不足に陥っているほか、店頭では長蛇の列ができている。北京市内の薬局店では21日、年配の男性が空になった複数の陳列棚を見回しながら「体温計はどこにある? 体温計はあるか?」と買い求めていた。店内では、マスクが新たに入荷したと聞きつけた客が40人以上並んでいた。ミャオ・メンさん(52)は家族や友人に配るため、マスク数百枚を求めて列に1時間並んだ。代金は計500元(約8000円)。彼女は「今年の春節(旧正月)で欲しいプレゼントはマスクだけ」と語った。