「昨年発表されたベルの機体には、翼がついていなかったでしょう?うちの機体には翼があり、より省エネで飛行できる点が違います。そもそも、うちはドローン型ではないんです。いわば飛行機とヘリコプターのいいとこ取りの形で、垂直に飛び立つことができ、かつ安定飛行できる点が利点です」と語るのは、現代で未来モビリティ・システム研究チームのトップを務めるエンジニア、ジャエ・ヒュング・キム氏だ。 

ジャエ・ヒュング・キム氏
現代の未来モビリティ研究のエンジニア、ジャエ・ヒュング・キム氏

 名古屋大学で航空宇宙工学を学び、博士号を持つキム氏は、「普通の飛行機と同じレベルの安全性を確保することが我々のゴール」と語る。

 8つあるプロペラのうち、万一どれかに不具合が生じても、安全に飛行を続行できる設計にしたという。垂直に飛び上がることができ、最高速度は約300キロ。ほぼ新幹線と同じスピードだ。2024年には韓国や米国でテスト飛行をし、2029年には実際に商品化する予定だという。

 乗客は4人乗りで、操縦にはパイロットが1人必須だが「実際には、ほぼ完全に自動運転に移行できるようにする予定」とキム氏。

深刻な交通状態を解消できるか?
「空飛ぶタクシー」への期待

 気になる飛行料金だが、「最初はプレミアム料金になるかもしれないが、台数が増えて市場が成長すれば、価格をぐっと下げられるはず」(キム氏)。同社はこの「SA-1」を米ライドシェア大手のウーバーと組んで開発中だ。「いずれはウーバーXと同じぐらいの料金で、誰でも気軽に利用できるようにしたい」と語る現代社員もいた。

 通常のヘリコプターよりプロペラがかなり小さいため、離発着の騒音はかなり抑えられそうだが、現代は既存のビルの屋上からの離発着は考えておらず、専用ハブを建設し、そのハブを拠点に離発着させる構想を練っている。

「防音設備もきっちり完備したハブで、機体への高速充電チャージができる設備も備えたい。そこが技術的にも一番難しいけれど」とキム氏。