不動産・開発危うい狂乱#5
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東京五輪・パラリンピック開催に合わせた建設ラッシュで潤ったゼネコンの戦いは、ポスト五輪のプロジェクトに移っている。大手がこぞって参戦する東京・虎ノ門、赤坂、六本木エリアの推定工事費は総額約1兆円。ここで最も大きい案件を手にしたのが清水建設だ。特集「不動産・開発 危うい狂乱」(全13回)の#5は、ゼネコンのポスト五輪バトルを追った。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

虎ノ門・麻布台受注で清水建設が大きな白星
大林組は価格面で最後にギブアップ

 2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けた工事に追われるさなか、ポスト五輪の大型プロジェクトでゼネコン業界3位の清水建設が大きな白星を挙げた。大手デベロッパーの森ビルなどが開発を進める東京・虎ノ門の「虎ノ門・麻布台地区再開発」で、目玉となる案件の受注を勝ち取ったのである。

 23年に竣工する虎ノ門・麻布台プロジェクトは、ポスト五輪案件の中でもとりわけ大型で、全体の推定工事費は少なくともおよそ3400億円に上る。森ビルは事業費として約5800億円を見込んでいる。森ビルが東京・六本木でかつて開発した六本木ヒルズの工事費、約2700億円を軽く超えるものだ。

 全7街区から構成されるこのプロジェクトの中でも、ひときわ目を引くのが、A街区のメインタワーだ。住宅、オフィス、商業、インターナショナルスクール等で構成される超高層複合ビルで、高さは約330m。日本一の超高層ビルとなる。

 こうしたシンボリックな建築は、ゼネコンがぜひとも手掛けたい仕事である。受注競争は激しかった。清水と競り合ったのは業界最大手の大林組だった。

 結果、「価格面で大林が最後にギブアップした」と業界関係者。「相当な競り合いを制したのはいいけれど、清水は赤字工事なんじゃないか」との声もある。