不動産・開発危うい狂乱#8
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JR名古屋駅前には、トヨタ自動車が入居するミッドランドスクエアを中心とするビル群で形成された「トヨタ村」がある。さらなる拡張をもくろんでいたトヨタ村は2019年12月、絶望の淵に突き落とされた。特集「不動産・開発 危うい狂乱」の#8は、トヨタ村の全貌と危機をレポートする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

布石で近隣ビルを買ったのに
大本命の物件は伏兵が取得

 トヨタ自動車のグループ会社である東和不動産は2018年、「名古屋の台所」といわれる柳橋中央市場にある柳橋食品ビルを、所有する会社ごと買収した。これは、愛知県の名古屋駅前に形成された「トヨタ村」をさらに拡張するための布石といえるものだった。

 柳橋食品ビルのすぐ近くにある、柳橋中央市場の中核施設だった中央水産ビルで再開発の機運が高まっていた。こここそが、拡張計画の核となる大本命の物件だった。

 ところが19年12月、トヨタ村は拡張計画を白紙に戻す危機に襲われた。意外な伏兵が百数十億円で中央水産ビルを取得したのである。