不動産・開発危うい狂乱#6
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NTTグループが、保有する電話局やオフィス約8500拠点を活用した不動産開発に乗り出す。三井不動産や三菱地所をも脅かす巨大不動産会社になるのか。特集「不動産・開発 危うい狂乱」(全13回)の#6は、NTTグループが本腰を入れる不動産ビジネスの実態を明らかにした。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

47都道府県に電話局やオフィス
有形固定資産9兆円は「宝の山」

 NTT(日本電信電話)グループの主要企業の一つであるNTTコミュニケーションズは2019年1月、東京・日比谷のNTT日比谷ビルから、東京・大手町の大手町プレイスウエストタワーへと本社を移した。同じ年の7月、NTTはグループの不動産関連事業を集約したNTTアーバンソリューションズを設立した。これに先駆け1月に不動産開発会社であるNTT都市開発の上場を廃止しており、同社をNTTファシリティーズと共に新会社にぶら下げた。

 一連の動きは、NTTがグループを挙げて巨大不動産会社になることを象徴していた。

 NTTは約9兆円もの有形固定資産を持つ。その大きな部分を占めるのが電話局約7000拠点、オフィス約1500拠点の計約8500拠点にも上る不動産だ。都市からへき地に至るまであまねく電話が通じるように、旧日本電信電話公社から引き継いだ設備や機能を擁する施設を47都道府県で大量に保有してきた。

 通信方式がアナログからデジタルの時代へ移り、全国の電話局は大転換期にある。NTT東日本とNTT西日本は25年までに、電話局の設備をアナログからインターネット技術を使ったものへ全面的に切り替える。インターネット技術を使った設備はコンパクトであるため、電話局の設備スペースは大幅に縮小することができる。

 設備の再編と並行するかたちで、NTTは25年までの中期経営計画でグループの電話局やオフィスを利活用する不動産開発に本腰を入れることを打ち出した。8500拠点の中には山の上の施設なども含まれるものの、市街地の中心部や官庁街などの一等地がゴロゴロある。まさに「宝の山」だ。

 NTT本体では設備再編などに伴う再開発候補に50~60拠点を想定しているが、不動産開発のノウハウを持つNTTアーバンソリューションズの提案力次第では、さらなる上乗せもあるだろう。

 NTTとしては、通信分野の伸び悩みに直面する中、不動産開発を非通信分野の稼ぎ頭にしたいところだ。ゴーサインの出る開発プロジェクトが膨らめば、不動産最大手の三井不動産、三菱地所をも脅かすような巨大不動産会社として、業界「日本一」の座も狙える。