【大阪】竹林戦争の今昔
竹中、大林が梅田で激突
全国の大都市で再開発が進んでいる。このうち大型プロジェクトが豊富なエリアでは、売上高1兆円を超すスーパーゼネコン(大手)5社が受注争奪戦の主役に立つ。これら大手が東京以外で受注に力を注ぐ順番を不等号で表現すれば、「大阪>福岡>名古屋>札幌>その他の都市」となる。この順で各エリアの大都市「争奪」最前線をレポートする。
関西随一の乗降客数を誇るターミナル駅がある大阪・梅田を中心とした「キタ」エリアで建設された大型オフィスビルについて、受注したゼネコンのマークを付けると竹中工務店と大林組のマークばかりになる。
大手5社のうち竹中と大林が関西2強であり、両社の戦いは「竹林戦争」と呼ばれてきた。大阪ひいては関西の“顔”である梅田の工事は今も昔も主戦場だ。鹿島、清水建設、大成建設の「在京3社」では鹿島が比較的健闘しているが、在京3社の幹部は「この地では竹林に受注の熱意、客の豊富さ、パイプの太さ、どれもかなわない」と白旗を揚げる。
竹林は長きにわたって熾烈な戦いを繰り広げてきた。過去にさかのぼると、駅西側の「ハービスプラザ」「ハービスプラザエント」は、大林の得意客である阪神電鉄が手塩にかけて育んできたプロジェクトにもかかわらず、竹中が奪った。
反撃に出た大林は、竹中が親密な阪急グループから阪急百貨店うめだ本店の建て替え工事を手中にした。1929年に元の建物を手掛けたのは竹中だが、05年に始まった建て替え工事は在京3社である大成が受注。当時はゼネコン冬の時代で、安値受注で工事の奪い合いが激化していた。