自分たちが使って楽しいプロダクトをつくる

朝倉:小林さんのチョンプは、非常に丁寧に手順を追ってプロダクトを開発しいてる印象を受けますが、具体的にどういった指標を見ているのでしょうか? 「これを重視している!」というものはありますか?

小林:我々の会社のバリューとして、「Build for us and our friends」というものがあるんですが、「自分達がそのプロダクトを使って楽しい」、「自分達が友達と使って楽しい」、「その友達がさらに友達と使って楽しい」といったような感覚をすごく大切にしています。もう一方で、Mixpanelなどでユーザーの利用データを見て、どこでユーザーが離脱しているかなども細かく見ています。

朝倉:外形的で指標的に測れるものも重視する一方で、定性的で内面的な自分の感じ方を大切にしているのですね。

小林:そうですね。両方とも重視しています。例えば、新規ユーザーにコアアクション(プロダクト固有のアクション)をして、プロダクトの価値を実感してもらうようにしたり、コア・アクションとリテンションの関係がどうなっているのかなど、細かく見るようにしています。

コンシューマーのモバイルアプリにとって最も大事な指標は多くの場合、コア・アクションに関わる指標で、その数値が伸びていくと、プロダクトの価値が増していくことが多いです。しかし、一部のユーザーだけが異常に利用して、アクティブなユーザー数が増えないのも問題となるため、健全性を保つためにアクティブユーザーの数も測定し続けます。この2つが共に増えていかないと、プロダクトが伸びていかないので、この2つの数値は丁寧に見ています。

【小林清剛】シリコンバレー日本人起業家の兄貴・Kiyoの挑戦 Vol.1

小林清剛(こばやし・きよたか)
Chomp, Inc.  Co-founder and CEO
1981年生まれ。大学在学中にコーヒーの通販会社を設立。2009年にスマホ広告事業の株式会社ノボットを設立し、2011年にKDDIグループへ売却。2013年に米国サンフランシスコにてChomp Inc.を設立し、現地でスタートアップをしている。また、2015年にTokyoFoundersFundを共同設立し、米国を中心に30社前後の企業に投資をしている。

*本記事はVoicyの放送を加筆修正し(ライター:代麻理子 編集:正田彩佳)、signifiant style 2019/9/13に掲載した内容です。