プロダクトが競争優位性を持つために必要なこと

朝倉:SNSなど、コミュニティ性のあるコンシューマーサービスでは、ユーザーが増えれば増える程、プロダクトの価値も高まりますね。

小林:NFXという米国のVCが言っていたことなのですが、プロダクトが競争優位性を持つには、ネットワークエフェクト、ブランド、ユーザーのスイッチングコストを格段に上げる仕組みのいずれかがあると良いと言われています。特に、彼らはネットワークエフェクトについては13種類に類型化しています。

朝倉:いわゆる、「モート(堀)を築く」ということですね。

小林:その3つの競争優位性をつくるタイプの中でも、コンシューマープロダクトにおいては特に、ネットワークエフェクトが強く関係してきます。そのため、どのようにネットワークエフェクトが効くよう設計するのかを考えるのも重要です。

日本は画一性が高いので、ネットワークエフェクトが効きやすく、さらに、先に話したように、マインドシェアやマーケットシェアも、アーリーアダプターを対象に取りやすいです。そのため、プロダクト・マーケット・フィットを無視してでも、テレビ広告などマーケティングに大量の予算を投下してユーザーを獲得することで、ユーザーが増えれば増える程、プロダクトの価値が増すといったネットワークエフェクトが効いている状況に持っていきやすいので、勝機が増します。

朝倉:日本では非常に伸びたプロダクトであったとしても、実は大してプロダクト・マーケット・フィットは確立していなかったという事態が起こり得るということですね。