ダイヤモンド決算報(新春)キリン
純利益が大幅に減少したキリン。国内が堅調に推移したが、海外事業が足を引っ張った Photo:Diamond

キリンの2019年12月期決算は、純利益が前年同期比64%減の596億円と大幅減益となった。国内事業が堅調に推移したにもかかわらず、海外事業が足を引っ張った。今後の成長を健康事業に託すが、行政処分を受けるなど暗雲が立ち込めている。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

新ジャンルは過去最高の販売数量を達成
海外の不調で利益が大幅減に

 1月から始まった、明智光秀の生涯を描いたNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」。その思わぬ“副産物”にキリンホールディングス(HD)社内は沸いている。

 キリンビールの商品になぞらえて、午後8時からの地上波本放送は「本麒麟」、本放送よりも2時間早いBSでの放送は「一番搾り」と、一部の視聴者の間で呼ばれ始めたのだ。大河ドラマの追い風に乗って、“キリンがくる”一年にしたいところだが、直近の決算は冴えない結果となった。

 キリンHDが2月14日に発表した2019年12月期決算。売上収益は1兆9413億円で、前年同期からほぼ横ばい。事業利益は同4.3%減の1908億円で増収減益となった。事業利益は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除したもので、日本基準の営業利益に近い概念。キリンでは、本業のもうけを表す指標として事業利益を重視している。

 そして、純利益は596億円で、前年同期から64%減と大幅に落ち込んだ。内訳を見ていくと、国内事業は好調であるものの、海外の不調が際立っている。

 国内で主戦場となるビール類の市場は、15年連続で縮小している。19年も市場は1%程度縮小したものの、キリンビールは販売数量で前年越えを達成した。ビールと発泡酒は市場トレンドに逆らえず販売数量が減ったものの、それを補えるほど新ジャンルが伸びをみせたのだ。