秋田の風力発電Photo by Ryo Horiuchi

丸紅を筆頭株主とする特別目的会社が、秋田県での洋上風力発電プロジェクトの実施を決定した。国内初の商業ベースでの大型プロジェクトで、今後に計画されている洋上風力発電プロジェクトのベンチマークになる。これが外資系発電事業者に日本参入の勝算を与えた。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

勝算見いだす外資系発電事業者
価格勝負で「徹底的に嫌がらせ」

 日本の洋上風力発電を巡り、外資系発電事業者の鼻息が荒くなっている。

 丸紅、大林組、関西電力、中部電力ら国内プレーヤーのみで出資する特別目的会社(SPC)が、秋田県の秋田市と能代市の港湾区域で手掛ける洋上風力発電プロジェクトのコストが明らかになった。

 この金額が外資系にとっては「高い」ものだった。

「商社、ゼネコン、大手電力会社といった日本ではピカピカの実績を持つ面々でも、これだけコストがかかる。コスト面なら、後発組であってもわれわれに十分勝ち目はある」と、ある外資系発電事業者の幹部。攻め込むチャンスを見いだした。