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お疲れさまでした。いかがでしたか? ……といいたいところですが、ほとんどの人は手を動かすことなくこちらに進んだのではないでしょうか?
「いま電車に乗っているから」「鏡や筆記用具が手元になかったから」という物理的な制約を抜きにしても、よほど絵が好きな人やとても真面目な人でもないかぎり、さきほどの指示に従って自画像を描いた人は、まずいないのではないかと思います。
ところで、あなたは「自画像」を描くエクササイズを提示されたとき、どんな気持ちになりましたか?
「面倒だし嫌だなと思った」
「自信がない。うまく描ける気がしない……」
「いきなり自分を描けといわれて、けっこう戸惑った」
ひょっとしたら、アートに対する苦手意識があなたの手を止めていたのかもしれません。実際、絵を描くということに対して、コンプレックスやネガティブなイメージを持っている人は少なくないように思います。
「すばらしい絵」をどう選ぶのか?
さて、エクササイズをスキップした人も、ほかのみなさんが描いた自画像を見てみることにしましょう。ここでは6人の作品をピックアップしたので、それを次の2つのステップで鑑賞してみたいと思います。
①6つの自画像のうち「最もすばらしい」と思うものを1点選び、丸をつけてください
②「なぜ、それがすばらしいと感じたのか」を説明してください
ここでとくに大事なのは、2つめのステップです。
なんとなく選んだものであっても、「なぜ/どこがすばらしいのか」を具体的に考えることによって、いまのあなたがなにを基準にして作品を見ているのかを認識できるはずです。
それではどうぞ!