論理もデータもあてにならない時代、論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、「知覚」「感性」「直感」などが見直されつつある。そんななか刊行され、各氏がこぞって大絶賛するのが、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という書籍だ。
現役の美術教師でもある著者が、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業とは――?

つい私たちが見落とすこと――タンポポの思考実験
「アート思考」という言葉を聞いたことがありますか? 今回はそれがどんなものなのかについて、私なりに説明してみたいと思います。
余裕がある方は、想像してみてください。
いま、あなたの目の前に、小さなタンポポが咲いているとします。
そのタンポポはどんな姿をしていますか?
できるだけ「完全なタンポポ」を「5秒間」で思い描いてみてください。