自由よりもルールに
縛られることを望む若者たち

 若者の消極化の文脈でいえば「いまの若者は上昇志向がない、現状に満足している」などといった、若者の保守化も指摘されている。

 いまの若者の考え方として、自由に価値を置かなくなってきていることも特徴的だと中西氏は指摘する。

「たとえば、80年代までは、中学や高校の制服はないほうがいいという声が多かったのですが、いまはむしろ毎日違う服装にするのが面倒くさいといった理由で、制服を望む子が大半。大学でも、もちろん学業が本業なので当然なのですが、昔と違って真面目に授業に出席する学生が多い。加えて、親からの仕送りが期待できない学生の場合、アルバイトもしないといけないほど忙しい。となると、なかなか要領良く生活する余裕もないのが現状。なので、そういう意味でも、自由よりもちゃんとルールを設けて守るほうが楽でいいと考える若者が多数派になってきています」

 中西氏によると、恋愛面でも若者たちは自分が勝手に決めつけたルールに縛られ、面倒くさいものだと敬遠しているのだという。

「先ほど言ったように、いまの大学生は授業やアルバイトに忙しく、趣味や恋愛に時間を使っている暇がないのが現状。さらに『毎日連絡を取らないといけない』『毎日一緒に帰らないといけない』などといったルールがあるものだと思い込み、わざわざ付き合おうとしない。恋人がいる学生に『クリスマスをどう彼女と過ごせばいいのか、おすすめのコースを教えてください』と聞かれたこともあります。それほど型にハマった思考に縛られた若者が増えているといえます」