東京国立博物館の常設展観覧料(一般)は620円から1千円に。京都、奈良、九州の各国立博物館も上がる。旭山動物園(北海道旭川市)や、昨春できたムーミンバレーパーク(埼玉県飯能市)、東京タワーや京都タワーなど人気スポットも値上げを予定する。

 一足先に上がったのがタクシー。25都道府県の48地域で2月1日から料金が変わった。東京・多摩地区などでは初乗り運賃が引き下げられたが、1キロ当たりの料金で比べると実質的に値上がりしている。

 変わったところではトイレや浴室などの住宅設備。LIXIL(リクシル)グループは4月から温水便座を4~6%程度、ユニットバスを1~5%程度、メーカー希望小売価格を上げる。

 身近な食品も例外ではない。ミスタードーナツは「フレンチクルーラー」など3商品を3月6日に10円値上げする。1月にも「ポン・デ・リング」などを10円引き上げていた。

 日清オイリオグループは、4月から家庭用の食用油を1キロ当たり20円以上上げる。原材料の高騰や運送代の値上がりなどが理由だ。

 運送業界の人手不足は深刻で、日本郵便は一部の郵送代を上げる。決まったサイズ以内なら全国一律料金で送れる「クリックポスト」は198円に。通販大手のアマゾンは、出店者の配送代行手数料をアップする。

 ここまで見てきたのは、値上がりするものの一部だけ。全体的に物価が上昇し、家計が圧迫されるのだ。さらに、お金を引き出したり、振り込んだりするだけでも手数料がかさむ。大手銀行は手数料を引き上げる。稼ぐ力が衰えた銀行は、顧客から幅広く手数料を得ようとする。若い世代は手数料の安いネット取引を利用しやすいが、高齢者には厳しい。

(本誌・池田正史、浅井秀樹)

週刊朝日  2020年3月13日号より抜粋

AERA dot.より転載