あちこちの部署をまわり、いろいろな仕事を経験し、気づけば20年経っていました。スキルは磨かれども、憧れのディズニーは未だ遠く。あきらめ半分、しかし、心のどこかで望みは捨てていませんでした。

 その願いが通じたのか、2004年、出向という形でようやくフロリダのディズニー(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)に勤めることができたのです。

 部下は外国人も含め250名という環境の中、人の育て方や組織の動かし方など、ディズニーメソッドと言われているマネジメントの仕組みを学んできました。

 その後は三越を退社し、現在に至ります。

 料亭では心を、三越ではスキルを、ディズニーでは仕組みを。

 ──これが、私が身につけてきたことです。

 そして、日本と世界とを見てきてわかったことは、「日本にはディズニーにも超えられなかったものがある」ということでした。

 では、その超えられなかったものとは何か?

 それが、「日本人にしかできない気づかい」なのです。

サービスはお金で買うもの、
気づかいはサービスではない

 欧米流の考え方では、サービスの質は支払ったお金の額に比例します。簡単に言えば、お金を払った分だけいいサービスを受けられる。お金を払わなければサービスは一切受けられない。

 サービスとはお金で買うもの、商品なのです。

 しかし、気づかいはサービスではありません。とても似ているのですが、根本的な部分で異なっています。