MOMENTUM True Wireless 2

 ゼンハイザージャパンは3月26日、アクティブ・ノイズキャンセリングに対応した、完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 2」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は3万円台後半になる見込み。発売は5月中旬を予定している。

ブラックモデル
ホワイトモデル

ついにノイズキャンセリング機能を搭載

 高音質と評価を受けた「MOMENTUNM True Wireless」の後継機種。音質の良さはそのままに、アクティブ・ノイズキャンセリング機能やIPX4相当の防滴仕様、長時間駆動など、最新トレンドを積極的に取り入れた製品となっている。また、Bluetoothチップを変更(型番:非公開)し、音質についてもブラッシュアップした。

ブラックモデルの本体

 従来同様、直径7mmのダイナミック型ドライバーを採用。ゼンハイザーは、直径7mmのドライバーサイズが最適解と考えており、シングルダイナミックドライバーの採用にもこだわっている。例えば、有線フラッグシップイヤホンの「IE 800」シリーズでも、同サイズのドライバーを選択。そのノウハウを生かしつつ、完全ワイヤレスイヤホンに合った形で自社開発したものとなる。

 歪みなく作動させられ、必要に応じてしっかりと止められる構造にしており、アナログメカの設計を75年間続けてきたブランドの思想が結実したものと言える。

機能一覧、いま市場に出回っているハイエンド完全ワイヤレスの機能はおおむね揃えている。

 ノイズキャンセリング機能は、外側マイクを利用した“フィードフォワード”方式を採用。これに遮音性の高い筐体(パッシブアイソレーション)を組み合わせている。他社では、ハウジング内のマイクを併用したフィードバック方式を用いる場合もあるが、既存チップを採用した場合、残留ノイズや音場の狭さといった副作用が出るため、この方式を採用した。声などの聞こえは維持しつつ、低域を中心に周囲の騒音を効果的に除去できるとする。

 再生周波数帯域は5Hz~21kHz、感度は107dB/mW。イヤーチップはシリコンタイプの4サイズが付属する。

遮音性を保ちつつ装着感を改善

 ハウジングのサイズは直径を2mmほど小型化。装着性を格段に上げた。遮音性の維持が課題となるが、ノズル位置などを細かく調整するなど努力している。ここにエンジニアの魂が宿っているとする。このハウジングは、IPX4相当の防滴仕様になっている。

 バッテリー駆動時間は、本体のみで7時間(充電ケース併用で28時間)。従来は4時間(同12時間)というスペックだったので、かなり長時間化した。USB Type-C経由で、フル充電までの時間は1.5時間。また、連続再生時だけでなく、自然消費についても改善。数日放置するなど、長時間使用しなくてもバッテリー切れを心配せず使えるという。

左上が新機種、右下が従来モデル
小型化しても遮音性を確保する点に大きな苦労があったそうだ。

外音取り込みの自然さも重視

 完全ワイヤレスイヤホンでは通話や周囲の音をしっかり聞ける点も重要だ。

 MOMENTUM True Wireless 2は、マイクは左右合計で3つ搭載しており、通話用は右側の2つを使用(ビームフォーミング対応)。外音取り込み/ノイズキャンセル用マイクは左右の下側に用意しており、自然さや通話時のクリアな声にもこだわっている。

 スピーカーを使い疑似的な環境音を作った環境で、外音取り込み機能を試してみたが、周囲の音が的確に把握できた。外音取り込みはただ周囲の音をマイクで拾うだけではダメで、できがわるいと、あまり聞こえなくていいノイズなども目立ってしまう。しかし本機の場合、音の位置や空間の広さも分かるほどの高水準で、自然かつ快適に使えた。

 また、新幹線などでの移動を想定した環境音を流しながら、音楽を再生しない状態でノイズキャンセリング機能をオンにすると、不快な騒音がきれいに消えた。一方でノイズをカットするのは主に低域となるため、イヤホンを装着したままでも、アナウンスなど人にの声に関しては十分確認ができた。

 ボイスアシスタント(Google アシスタント/Siri)の起動や、外音取り込み/ノイズキャンセリングのオンオフは、ハウジングの外側に置いたタッチセンサーで操作する。標準ではダブルタップで外音取り込み、トリプルタップでノイズキャンセリングのオンだが、スマホアプリ「Smart Control」でカスタマイズが可能。

 このSmart Controlでは、ファームウェアのバージョンアップなども可能になっている。また、タッチした回数を分かりやすくするため、ピ・ポ・パと回数に応じて音が変わる点も細かい配慮だ。また、イヤホンを外すと音楽再生が一時停止、また装着すると止めた位置から、再度再生が始まるなど、細かな使い勝手にも手が抜かれていない。

充電ケースはファブリック素材を利用。手前が新モデル、奥が従来モデル。サイズ感はほぼ同程度だ。

 接続性の面では、高価で採用例が少ない、LDS(Laser Direct Structuring)アンテナを採用するなど、十分な配慮を実施している。なお、左右独立受信方式ではなく、リレー方式での通信になるとのこと。Bluetooth 5.1に対応し、コーデックはSBC、AAC、aptXに対応する。

 充電ケースにイヤホンを収納した場合の重量は約70g(イヤホンのみで約12g)。パッケージサイズは幅170×奥行き115×高さ45cm。カラーはホワイトとブラックの2色を用意する。

背景の写真は、ゼンハイザーが創業時の社屋。いまでも残っており、民家の一部を会社にしていた。

75周年を迎えたゼンハイザーの意欲作、音質に妥協はしない

 サウンドは、ゼンハイザーらしい美しい高域が魅力。かといって細い印象はなく、ボディー感のあるボーカルなど、豊かな中域を聞かせる。同価格帯の他社製イヤホン数機種と聞き比べてみたが、音場感の広さや子音の響きの美しさなどが特徴的に感じた。また、バイオリンなどは滑らかかつしなやかに表現する一方で、ピアノの硬いタッチなどは、なまらずしっかりと再現。音の質感の描き分けが非常に忠実な印象だ。

 製品コンセプトのひとつに静寂と高音質がある。ゼンハイザーのユーザーは、完全ワイヤレスイヤホンの選択でも(利便性一辺倒ではなく)音質を最優先に考えているとのことで、これに対して「真摯に向き合うことが大切」だと考えて製品を開発したそうだ。

 3万円台後半という実売価格は、ノイキャン搭載完全ワイヤレス機の中でも、高価な部類に入る。しかし、音質の良さは大きなメリットだ。ゼンハイザーのサウンドに親しみがあり、オンリーワンの音を探すユーザーにとっては、非常に魅力的な選択肢になるだろう。

ゼンハイザーは今年75周年を迎える。写真は過去の代表機種。

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