対面式の説明会を続ける企業には
「入りたくない」という声も

 このようにWEB説明会の経験がなくても対応を急ぐ企業がある一方で、いまだにマスク着用を義務付けながら、10人未満の説明会や1対1などの面接、いわゆる「3密」を回避した形で、企業説明会を実施・予定している企業もあるのが現実だ。大手就活ナビで、4月15日以降の説明会を検索すると、WEB説明会に切り替えた企業も多いが、本社などで説明会を開催予定の企業も見つかった。

 小売業のため、緊急事態宣言後もやむを得ず電車通勤しているという30代の女性会社員は、「電車の中で、リクルートスーツを着た学生をよく見かけるので本当に驚いた」と語る。

 確かに、WEB説明会や面接には、対面とは異なるデメリットもある。例えば、電波状況が悪いとメッセージが正確に伝わらない、表情が見えづらいため学生の反応が分かりづらい。また、特に面接をWEBで行うと、対面なら面接前後で見せる素顔などが分からず、雰囲気をつかみきれなくて内定を出しづらいという問題もある。また、Zoomなど、ビデオ会議システムにおけるセキュリティー面の脆弱性を懸念する声もあり、あまり知識がない採用担当者であれば導入をためらうケースもあるだろう。

 しかし、SNS上で就活生などが「今、対面面接や説明会やってる企業は入りたくない」「この局面で対面の会社説明会やってる企業は会社の動きが悪くてリスク管理が出来てないって事を社会に発信してるようなもん」(原文ママ)とつぶやく声が散見されるように、コロナへの対応が会社のイメージを左右しているのも事実だ。

「それなら採用を延期すればいいのでは?」と周囲は考えるが、自粛を促しても、長期的に売り手市場が続く今は、「優秀な学生を他社に取られまい」と採用担当者は採用の手を休めることはないだろう。学生もどうしても入りたい企業であれば、やむを得ず説明会に出向くしかない。だが、もしそうした説明会が感染者の集団を発生させれば、本末転倒だ。

 そんなふうに、リスクを冒してでも対面式での採用活動を続ける企業の手を止めるには、政府や経団連などが「採用活動の延期」を示唆するのも1つの方法ではないだろうか。