窮地に立たされた飲食店にまず必要なのは、延命資金だ。前売りサービスには、こうした資金をいち早く確保できるメリットがある。感染防止の観点で外食するのはためらわれるが、なじみの店を応援したいという常連客のニーズにも応えられる。

 飲食店向けのプラットフォームサービスを提供する企業も続々と、前売りサービスやキャンペーンをリリースしている。

 昨年、アプリを通じて知人や家族などに飲食店での食事をプレゼントできるギフトサービス「ごちめし」をリリースしたIT企業のGigiは、サービス機能を活用し、前売り食事券を購入することで飲食店を応援することができるキャンペーン「さきめし」を打ち出した。

 以前は「ごちめし」サービスを利用している飲食店は200店舗ほどだったが、3月9日にキャンペーンを開始して以降、全国から申し込みが殺到し、4月2日時点で約3倍の600店舗にまで増加した。Gigi代表取締役の今井了介氏は、「『さきめし』開始以降、3月だけでも全体で2400件以上、約240万円の取引(前売り利用)があった」と話す。

 また、各地域における取り組みも活発化している。

 高知県では、「つながるKOCHIプロジェクト」と題して、飲食店が販売できる応援チケットを配布する取り組みが広がりを見せている。1枚1000円の5枚つづりと、1枚2500円の4枚つづりの前売りチケットを希望する飲食店に無償配布し、飲食店から常連客に販売してもらう仕組みだ。すでに1000万円分を超えるチケットが飲食店に配布されているという。プロジェクトの発起人である林幹郎氏は「全国から取り組みをまねしたいという声が届いている」と、反響の大きさを語る。

 外出自粛要請により来客が見込めない中で、こうした前売りチケットを通じた常連客による支援が、飲食店が目先の運転資金を確保する一助となっている。

ホテル業界の革命児が仕掛ける
「泊まらないホテル」構想とは?

 また、飲食店と同じく外出自粛による客数急減の影響を受けているのが、ホテルや旅館などの宿泊施設だ。

 顧客が泊まりにくることでビジネスが成立する宿泊業。テレワーク需要の拡大を受けて「テレワーク用プラン」を打ち出すなど、多くのホテルが顧客を呼び込むべく試行錯誤を続けるが、“ステイホーム”が叫ばれる今、客数減を食い止めるのは容易ではない。