毎年ゴールデンウィークのこの時期は、LGBT(性的マイノリティの総称のひとつ)への差別や偏見をなくすためのイベント「東京レインボープライド」が開催され、「プライドウィーク」とも呼ばれている。「LGBT」という言葉は、いまや日本の社会にも知れ渡ったものの、トランスジェンダーと性同一性障がいが混同されて論議されるなど、正しい理解がなされているとは言い難い。そうしたなかで、LGBTの子どもたちへの理解をまずいちばんに進めていく必要がある。いま改めて、学校関係者や保護者が知っておくべきこと、そして、小・中・高校におけるLGBT対応の方向性を考えてみよう。 (ダイヤモンド・セレクト「オリイジン」編集部)
*2019年7月発売の『本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング 2020年入試版』から転載(一部加筆修正)

平成~令和のLGBTと社会の動き
まずは “多様な性”を理解したい

 LGBTは性的マイノリティの総称のひとつであり、性的マイノリティの存在は、「性別というものは男・女のいずれかで、好きになるのは異性のみ」と考えている人には理解しづらいだろう。しかし、人間の「性」は“性のグラデーション”という表現が使われることもあるように、多様性に満ちている事実を念頭に置きたい。

 L(レズビアン)・G(ゲイ)・B(バイセクシュアル)は性的指向についての区分であり、T(トランスジェンダー)は性自認・性同一性についての区分であることをまずは特筆する。つまり、やや専門的な話になってしまうが、例えば、「トランスジェンダーかつゲイ」の人もいるのだ。

 また、性的マイノリティ(以下、本稿ではLGBTと表記)の存在をあまり意識していなくても「性同一性障がい」という言葉を知っている人は多いだろう。

 平成13年(2001年)から14年(2002年)にかけて放送された「3年B組金八先生」の第6シリーズで性同一性障がいの生徒(上戸彩演じる鶴本直)が登場し、世間に大きなインパクトを与えた。

 当時、性同一性障がいが社会で強い関心を集め、放送翌年の平成15年(2003年)には、通称「性同一性障害特例法」が成立し、一定条件を満たせば戸籍の変更も認められるようになったのだ。