ある日、学校で、家庭の中で、
カミングアウトされた大人たちは…

 さらに、「LGBT当事者にとってカミングアウトの障壁が最も高いのは両親」というデータもある。「親の期待を裏切ってしまう」「(親に)そもそも理解がない、拒絶されそうで怖い」といった不安を持つ当事者が多いのだ。

 保護者が子どもからLGBTであることをカミングアウトされた場合は、先生同様に、「慌てず、騒がず、問い詰めず」、そして、「受け入れる」姿勢を持つべきだろう。子ども自身が動揺の渦中にいるときに、親自身が混乱してしまっては事態が悪くなる一方だ。たとえ、内心で動揺していようとも、まずはありのままを受け入れる姿勢を見せることで子どもは救われる。カミングアウトの目的は相手の理解を得ることであり、大人たちの拒絶を望む子どもは誰ひとりとしていないはずだから。

 また、カミングアウトできない子どもの前で、テレビを見ながら、大人がLGBTへの偏見に満ちた発言をしてしまう日常もある。近親者の心ない態度や何気ない発言に傷ついている当事者がいることを忘れてはならないだろう。学校の先生はもちろん、家庭内の大人がLGBTへの生理的な嫌悪感を露わにしたり、からかう発言を控えること――それが、子どもと向き合う大人が忘れてはならない最も重要なことなのだ。

※本稿は、「本当に子どもの力を伸ばす学校 中高一貫校・高校 大学合格力ランキング 2020年入試版」の掲載記事を転載(一部加筆修正)したものです。