しかしながら、お二人の仕事に新型コロナウイルスの影響がじわじわと出始め、緊急事態宣言をきっかけに事態は大きく変わってしまいました。Ⅰさんのネイルサロンは休業要請の対象となり、店を閉じなくてはならなくなりました。夫は、勤務先の飲食店の営業時間が短縮されたことにより、月の半分ほど休業を余儀なくされています。

 夫は飲食店の経営者に「雇用調整助成金」を活用してほしいと考えていますが、夫の日給が助成金の日額上限(8330円)より高いため、雇い主は首を縦に振りません。つまり、働けなくなった分、無給となる可能性が高いのです。

 妻は休業で収入ゼロ、夫は半減で、Ⅰさん夫婦の世帯収入は今までの4分の1ほどまでに減ってしまうことが予想されます。

 幸いにして、ご夫婦は今まで無駄遣いと思われる不要な支出を減らし、こつこつと貯金を頑張り、生活費の1年分を超える約400万円を貯めていました。そのため、生活費を工面すること自体には問題ありません。ただ、将来のために増やしていこうと思っていたお金を、予定外の生活費補填のために使わざるを得ないことを、非常に残念に感じていらっしゃいます。

 加えて、Ⅰさん自身は自営業なのでこれから先、ネイルサロン店の家賃もかかります。大きいスペースではありませんが、休業で収入が全くないことを考えると、大きな負担です。かといって、せっかく軌道に乗り、固定客もたくさん付いてきた店を、ここで諦めることもできません。

まずは支出の見直しを
制度の利用も検討しよう

 現在Ⅰさんは、政府からの給付金、休業要請に伴う助成金などを受け取ることを待っています。さらに、生活を長く維持していくためには、国民健康保険料の軽減、国民年金保険料の一部免除などの相談、税金の延納の相談、生命保険料の延納の相談など、やることがたくさんあります。

 Ⅰさんは、現在の状況がもっと長引けば、iDeCoの掛け金の減額も検討する予定だそうです。利用できるものは利用し、なんとか乗り切ってほしいと願います。

 今、休業要請の影響を受ける仕事をしている方は非常に大変な状況にあると、お客さまからの話を聞いてひしひしと感じます。家計のアドバイスをする立場から言うと、できることはまず、支出の見直しです。一方で、支出を絞るにも限界がありますから、併せて、利用できそうな給付金、助成金、貸し付けなどの制度を調べ、いち早く行動することが大切です。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)