コロナ前からくすぶっていた
「定年崩壊」の火種
実はあなたの人生設計を狂わすような火種はコロナ前からあった。
例えば、好業績にもかかわらず、余力のあるうちに人員整理を行おうと、誰もが知る大企業であったとしても黒字リストラが当たり前のように行われ始めていた。中には30代が対象の早期退職募集も出ていたほどだ。
さらに、今年3月には、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用安定法が成立。既に65歳まで再雇用で働く人は増加中だが、もはや「70歳まで働く」のが当たり前の時代は目の前だ。
つまり、大企業に入りさえすれば安泰であるとか、60歳で退職したら悠々自適のリタイア生活を送るという、終身雇用を前提とした従来型の雇用システムは、既に崩壊した状態にあったのだ。
そんな状況にもかかわらず、金融庁の審議会での議論を発端として約1年前、公的年金だけでは夫婦の老後生活には約2000万円足りないという「老後2000万円問題」が話題になったのは記憶に新しいだろう。
「老後2000万円問題」を
3人に2人が不安視
コロナの影響が本格化する過程の時期(3月下旬~4月上旬)にダイヤモンド編集部がアンケート(インターネット調査、回答総数706人)を行ったところ、3分の2の人が「老後2000万円問題」に不安を持つことが分かった。
もともと老後不安が高まっていた中で日本に飛来したコロナ禍。今は目先の収入や雇用の問題に目が行きがちだが、コロナは定年後の老後生活に大格差を生む元凶となる可能性が高い。目前の問題ばかりに気を取られていると、後々に大きなツケを回しかねないのだ。
前述のアンケートでは老後不安を和らげるための方策として、半数以上の人が「長く働き続ける」を選択。さらに、「資産運用を行う」(30.9%)、「家計を見直す」(11.9%)と続いた。
年金支給が後ろ倒しにされ、コロナで企業業績にも陰りが出る中で、この選択は正しい。しかし、やり方を間違えては元も子もない。