シリアのバッシャール・アサド大統領は9年にわたり、残忍な戦いを敵に仕掛け、友人らがその内戦から利益を得ることを容認してきた。だが今や、紛争からの経済再生に向けた費用が膨れあがる中、自身の権力固めと経済崩壊の阻止に向けて同じ友人たちを締め付けている。アサド氏は、不動産や通信、エネルギーなどの業界に君臨する政権寄りの富豪10人以上を標的にし、自身だけがシリアの将来を決めるとの考えをにおわせている。アサド氏から弾圧を受けている富豪の一人がラミ・マフルーフ氏だ。マフルーフ氏はアサド氏のいとこで、子ども時代からの親友であり、シリア内戦の間も政権の資金確保を手助けしていた。マフルーフ氏は先頃、フェイスブックの動画で、自身の資産を凍結しないようアサド氏に懇願。追い詰められた様子で、2億5000万ドルの脱税容疑はシリア情報当局のでっち上げだと主張した。