中国が力による香港の統治権奪取に動き出したもようだが、台湾への脅威も高まっている。全国人民代表大会が香港の治安維持に関する厄介な新法制定に動き出したほか、中国海軍が台湾支配下の島に対する陸海両面での攻撃訓練を計画しており、こうした今週の動きから読み取れるメッセージだ。香港返還に関する中英共同宣言によれば、中国は香港に対し、法的自治権のほか、表現・報道・集会の自由を含む基本的自由を約束している。しかし中国政府は現在、香港特別行政区立法会(香港議会)を無視して、香港の治安維持に関する法律を一方的に押し付けようとしている。こうした絶対的命令による統治は、中国政府が1997年から50年間維持すると約束した「一国二制度」の取り決めの終焉を意味する。