「働き方改革」と「ダイバーシティ&インクルージョン」――新型コロナウイルス感染拡大のずっと前から、メディアでも、ビジネスシーンでも目立っている言葉だ。実は、このふたつの言葉は密接に関係していて、「働き方改革」=生産性の向上という目標のもと、多様な人材を受け入れることが多くの企業でスタンダードになっている。障がい者・外国人・LGBT……さまざまな人が、いま、職場に求められる理由は?(ダイヤモンド・セレクト「オリイジン」編集部)
*現在発売中の『インクルージョン&ダイバーシティ マガジン 「Oriijin(オリイジン)2020」』から転載(一部加筆修正)

これからは、働く者が、働き方を選択できるようにもなる時代

 「働き方改革」「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が浸透したこともあり、近年、「働き方」の変革に注目が集まっている。

 2019年4月、「働き方改革関連法」の一部が施行され、‟長時間労働の見直し”と‟多様な働き方の選択の自由”が公にも議論されるようになった。

 また、今年2020年4月からは「正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差」が禁止され、ざっくり言えば、原則、同一企業内において同じ業務に就いている場合は、同じ水準の賃金が支払われるようになった。
*詳細は、厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」参照

 これまでは、企業側の都合が雇用関係を左右していたが、これからは働く者が働き方を選択できるようにもなると言っていいだろう。

 政府主導で働き方の見直しが行われた背景のひとつに「少子高齢化に伴う生産年齢人口(15歳以上65歳未満の年齢に該当する人口)の減少」がある。

 日本の総人口は2008年をピークに減少に転じ、内閣府の発表によれば、2053年には日本の総人口は1億人を下回ると推測されている。さらに、日本の生産年齢人口は約7545万人まで減少し(2018年10月現在・総務省調べ)、1950年以降、過去最低の数字を記録している。

 一方、労働力人口(15歳以上で労働する能力および意思を持つ人口)は7年連続で増加しているというデータもあるため、ここ数年は、働き手が一気に不足する状況ではない。しかし、少子高齢化の流れが変わらなければ、近い将来、働き手が不足する時代に突入することは間違いないだろう。

 そんな‟人口減少時代の働き手確保”という課題において、キーワードとなるのが“ダイバーシティ&インクルージョン”だ。