夢を持たず目標を持つことが大切な理由
山下:宗次さんを追いかけて、私も「趣味は仕事」と言い切れるところまできた気がします。ただ、まわりからは変人だと思われていますね(笑)。
「趣味は仕事」というだけでも変人扱いされるのに、宗次さんはさらにその上、「趣味は寄付」だとお話しされていますよね。
宗次:そうですね。今の私の趣味は、仕事と、助け合いと、寄付です。寄付をして、人にお金を使っていただくことは、最高の贅沢です。
引退してからは宗次個人として名前を出して寄付をしていますが、現役時代は会社として寄付していました。現役時代に個人で寄付するときは、匿名でしたね。
「余裕ができたら私も寄付します」という人が多いので、「これはもっと啓発していかなくては」と思っています。
なかなか付いて来てくれる人はいないのですが、それでもたまに「宗次さんにお任せします。使ってください」とお金を振り込んでくださる人もいらっしゃいます。
山下:日本の会社の25%しか黒字ではないと言われていて、多くの会社は納税さえできていないのが現状です。
宗次さんから、「1年間頑張って赤字なのは恥である。そして赤字だと、たとえば災害があったとき、困っている人に手を差し伸べることができない。だから赤字はダメだ」と教えていただきました。本当にそのとおりだと思います。
宗次:社員さんだって赤字の会社にはいたくないですよね。だからなんとしても右肩上がりの目標を達成することが必要です。
前期で100だったら、次期は101にする。厳しくても難しくても、実績を積み重ねていけば、やがて夢のような大きなことだってかなうようになります。
山下:夢は、目標の先にあるわけですね。まずは目標をしっかり持つ。そして経営者は、お客様のために、従業員のために不断の努力を続ける……。右肩上がりを実現するために、1年1年、1日1日を大切にしていこうと思います。
(了)