株価は底値から38%上昇
喪失・回復時価総額を比較
新型コロナウイルスの影響で、大幅に下落していた株価が急ピッチで戻している。日経平均株価は終値ベースで、1月17日に年初来高値となる2万4041円を付けた。それがコロナの感染拡大を受けて、3月19日に底値となる1万6552円まで下げた。下落率は2カ月で、3割を超えた。
その後、日米欧を中心に、過去にない規模の財政出動と金融政策が打ち出されたことから一転、楽観ムードが市場に広がった。6月5日には2万2863円まで回復し、底値からの上昇率は38.1%となった。
ちなみに底値からの上昇幅(6311円)を、1月のピーク時から底値までの下落幅(7489円)で割った回復率は84.3%である。底値で拾えた投資家は大きな利益を得ることができた。まれに見る大相場で、年初来高値の更新すら視野に入ってきた。
今回は「コロナ底値からの時価総額回復ランキング」と題して、全上場企業を対象に、コロナ底値の3月19日から6月5日までの時価総額の増加額でランキングした。
コロナショックで幾ら時価総額を失い、そのうちどの程度回復したかが分かるように、1月17日から3月19日までの時価総額喪失額も併せて掲載してある。
コロナ前より高いソフトバンクG
トヨタは回復に出遅れ感
1位はソフトバンクグループ(SBG)で、コロナ底値からの時価総額の増加額は5兆2935億円。上昇率は94.3%である。コロナ底値(3月19日)までの喪失額は4兆5851億円だったので、コロナの影響で下がった分は全て取り返し、株価はコロナ前よりも上昇している格好だ。
SBGは、昨年から大口投資先の米シェアオフィス、ウィーワークが経営不振に陥ったことで、これまでの積極投資や今後の財務悪化が不安視されるようになっていた。現在は通信子会社ソフトバンク株の一部売却などで、手元資金の確保が進みつつある。