日本企業はコロナショックで莫大な時価総額を失った。その金額は市場の見通しを反映している。業種、企業によって濃淡があり、つぶさに見れば現状の把握や将来の予測に役立つはずだ。特集『倒産連鎖危機』の#6では、10業種200社の喪失時価総額ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
業種、個別企業で減り具合を検証!
時価総額喪失ランキング
東証株価指数(TOPIX)が昨年来の高値を付けた1月20日から3月9日までに、東京証券取引所第1部上場企業は132兆円の時価総額を失った。株価は市場参加者の将来の収益見通しを織り込んで動く。下の業種別・時価総額喪失ランキングを見てほしい。順位が高い業種ほど、新型コロナウイルスの感染拡大で経済的な打撃が大きいことを示唆している。
1位の電気機器が失った金額は約20兆円、2位の輸送用機器は12兆円弱。このほか3~24位の業種で兆円単位の喪失があった。
ランキングには時価総額の減少率も載せた。例えば空運は27.1%。航空需要が急激に落ち、ANAや日本航空で減便が相次ぐ。ただ空運は社数が少なく、金額ベースでは28位。金額と減少率の二つの数字を見て、コロナの影響をより深く理解しよう。減少率で最悪だったのは鉄鋼で36.4%。3位の海運と共に中国経済の減速による痛手が大きい。一方、原油価格の暴落を受け鉱業は2位だった。
さらに、時価総額喪失ランキングで、上位の業種を構成する個別企業のランキングを作成した。こちらからも、さまざまなことが読み取れるのでご覧いただきたい。